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帯のキャッチコピー:「『おいしい』と泣くことから再生は始まる。」
30秒でわかるあらすじ
母を亡くし、世界から色が消えてしまった大学生の野宮 薫子(のみや かおるこ)。 遺品の中から見つけた「かつての家族」の面影を追い、彼女は北海道の恵庭(えにわ)へと向かいます。そこで出会ったのは、無愛想でいてどこか危うい青年・小野寺 せつなと、血の繋がらない者たちが「家族」として寄り添い合う場所でした。 悲しみで味覚さえ失っていた薫子の心を解いたのは、彼らと囲む食卓と、そこにある真っ直ぐな慈しみ。 『カフネ(愛する人の髪を撫でる仕草)』のように、誰かの指先が心に触れたとき、彼女は再び「おいしい」と感じ、涙を流します。それは、喪失の淵から一歩を踏み出す、静かで力強い再生の記録です。
この帯のここが凄い!
この帯の凄さは、「味覚の回復」を「生の肯定」として描き出した、その圧倒的な優しさにあります。
深い悲しみの中にいるとき、人は「食べる」という行為にさえ罪悪感を抱くことがあります。そんな中、誰かが自分のために用意してくれたものを口にして、思わず「おいしい」と心が動く。その瞬間、堰を切ったように溢れ出す涙。 それは、心がようやく「まだ生きていてもいいんだ」と自分を許し、再び呼吸を始めた証拠です。
「おいしい」と笑うのではなく、「おいしい」と「泣く」。この言葉の組み合わせこそが、本作が描く「再生」の痛切さと温かさを、何よりも雄弁に物語っています。

■書籍情報
出版社: 講談社
書名: カフネ
帯のキャッチコピー:「『おいしい』と泣くことから再生は始まる。」
著者: 阿部暁子

