
🖋 この帯のここが凄い!
短い問いかけには、単なる犯人探しを超えた、存在そのものへの根源的な不信感が込められています。「俺たちは誰なんだ」という言葉は、主人公と、目の前にある自分と瓜二つの死体、あるいは同じ境遇に置かれた見えざる他者との境界を曖昧にし、物語の根底にある「起源」への恐怖を剥き出しにします。たった七文字の中に、平穏な日常が崩壊し、自分という「個」が不確かな集団の一部へと飲み込まれていくような、静かなる絶望感とミステリーとしての巨大なフックを共存させています。
📖 30秒でわかるあらすじ
救急医・武田の元に搬送されてきたのは、自分と瓜二つの顔をした身元不明の溺死体だった。身体的な特徴までもが一致する「彼」は何者なのか。武田は旧友の医師・城崎とともに、自身の出生の秘密へと繋がる調査を開始する。しかし、鍵を握る人物たちは次々と密室で命を落としていき——。生殖医療の光と影、そして命の尊厳を問う、鮎川哲也賞受賞の本格医療ミステリー。

■書籍情報
出版社: 東京創元社
書名: 禁忌の子
著者: 山口 未桜


