「熟した柿の実を自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと。」

「佐藤 正午 熟柿 帯の画像」
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帯のキャッチコピー:「熟した柿の実を自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと。」

購入前…この帯の”ここ”に惹かれる!

帯との出会い

真っ白な中に、1文「熟した柿の実を自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと」と本の題名である熟柿について辞書に書かれた意味がそのまま書かれているのを見て、足を止めてしまう。それは、孤独な人間の寂しい物語なのか、それとも時機を待ち、そのときに起こるサスペンスなのか。全く予想ができない。足を止めて、自分でも「熟柿」という単語の意味を検索してみる。気長に待つという意味だけでなく、使われ方として、酒を飲んだあとの息をあらわすこともあるようだ。年老いた男が酒におぼれているように周りからは見えていたが、実は何かの時(例えば犯人の出所)を待っており復習したりするのか?などさまざまな想像が膨らみながら、本を手にとってみる。

帯の佇まい

もともと白い表紙の下のほうに、本のタイトルが記載されているため、通常の帯位置では文章を入れづらかったのか、それとももともと真ん中に、この辞書の意味を書くことで完成される予定だったのかは不明だが、特徴的な帯となっている。なぜか大きい文字で書かれた本のタイトルではなく、小さい文字で真ん中に書かれた文が先に目が行く。その上で疑問に持つ「なんのこと?」そしてタイトルに目が行く。そして足を止め考える「どんな話なのだろうか」。この帯を見た人に対し、あまり本の中身を語らず、疑問に疑問を重ねさせて興味を引き付ける帯となっている。

帯から勝手に内容を”妄想”

この帯は内容をあまり語っていないため、さまざまな妄想をすることができる。ただタイトルの漢字「熟」のイメージから年老いた人が主人公であると考える。そして熟柿の意味も「気長に待つこと」であるため、そうだろう。さて、妄想ポイントとしては、今回待っている時機とはたまたま起きたのか、それともチャンスをまっていたのかということだ。チャンスを待っている場合復讐を題材としている可能性が高いが、たまたまの場合は恋愛等いろんなパターンが考えらえれる。帯に戻ると真ん中に書かれた無機質な単語の意味は、老いた男性が他人になにも迷惑をかけず(無機質)に暮らしていたことが想像できるので、たまたま何か時期が来たように見える。しかし最後どんでん返しとしてすべては主人公が緻密に描いた策略であったという物語ではなかと想像し、本を開いてみる。

この本を読んでみようと思ったあなたに、30秒でわかるあらすじ

地方都市の市役所に勤める、一人の独身男性。 大きな波風も立てず、平穏で少し空虚な日常を淡々と繰り返してきた彼の周囲が、ある時から静かに、しかし確実にざわつき始める。

きっかけは、かつて想いを寄せていた女性との再会や、職場の人間がふと漏らした秘密だった。 特別な事件が起きるわけではない。ただ、日々の何気ない会話を積み重ねるうちに、自分自身の過去の記憶や、周囲の人々が隠し持っていた「嘘」と「孤独」が、熟しきった柿の実が音もなく地面に落ちるように、一つ、また一つと暴かれていく。

「人は、いつから自分の人生に折り合いをつけて生きるようになるのか。」

佐藤正午ならではの緻密で饒舌な筆致が、平凡な日常のすぐ裏側にある「底知れぬ深淵」を描き出す。読み進めるほどに、自分自身の足元さえも疑いたくなるような、静謐でいて濃密な大人のための人間ドラマ。

■書籍情報

出版社: KADOKAWA

書名:熟柿

帯のキャッチコピー:「熟した柿の実を自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと。」

著者: 佐藤 正午

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