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📖 30秒でわかるあらすじ
舞台は、熱狂的なファンを抱える「花見川歌劇団」。元団員の美奈、トップスターの身の回りの世話をするむすび、そして小学校教師の今日子。歌劇団という「完璧な美」が支配する世界の外側で、彼女たちは常に誰かと自分を比べ、見えない順位に縛られていました。しかし、ある人物の「脱退」を機に、盤石だったはずの階級社会が音を立てて崩れ始めます。最弱のカード「スペードの3」が、最強の「ジョーカー」を射抜くルール(大富豪)をモチーフに、女たちの執着と逆転劇を鮮烈に描く連作短編集です。
🖋 この帯のここが凄い!
この帯の凄さは、「革命」という壮大な言葉を、逃げ場のない濃密な人間関係の中に持ち込んだ点にあります。
トランプの「大富豪」において、スペードの3は通常なら最も弱い札に過ぎません。しかし、場にジョーカーが出された時だけ、その最強を討ち取れる唯一のカードへと変貌します。
私たちはどこかで「いつか誰かが、あるいは時間が、この嫌な状況を変えてくれる」と期待してしまいがちです。しかし、このコピーはそんな甘い幻想を真っ向から否定します。「革命」は空から降ってくるものではなく、どん底にいる「スペードの3」のような存在が、自ら意思を持って引き起こすものだ…。この一文は、閉塞感の中でじっと息を潜めている読者の「主体性」に火をつけ、物語のラストへと一気に突き動かす強烈なエネルギーを持っています。

■書籍情報
出版社: 講談社
書名: スペードの3
著者: 朝井 リョウ


