「なんて痛々しく力強い物語。」

🖋 この帯のここが凄い!

この帯の凄さは、「痛々しい」と「力強い」という、一見相反する形容詞を並べた点にあります。

この物語を読んだ誰もが抱く、「辛すぎて正視できない(痛々しい)」という感情と、「それでも生きていこうとする姿に圧倒される(力強い)」という感動。その矛盾する心の揺れを、たった一文で肯定してくれています。 また、最後に「!」(感嘆符)をつけないことで、大声で叫ぶ宣伝文句ではなく、読んだ人の心の底から漏れ出た「独り言」のようなリアリティを持たせている点も、作品のトーンに完璧に合致しています。

📖 30秒でわかるあらすじ

自分の声を誰にも聴いてもらえず、家族に搾取されてきた女性・貴瑚(きこ)。彼女が移り住んだ大分の田舎町で出会ったのは、母親から虐待を受け「ムシ」と呼ばれていた少年だった。他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く「52ヘルツのクジラ」のように、孤独な二人が出会い、互いの声を聴こうと歩み出す。愛を欲し、愛を諦めた人々が紡ぐ、再生と希望の物語。

■書籍情報

出版社:中央公論新社

書名: 52ヘルツのクジラたち

著者: 町田 そのこ

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